老舗の使命
NHKスペシャル『長寿企業大国にっぽん』を見ました。
日本は、世界でもひときわ長寿企業の多い国であることを知りました。
ヨーロッパなど、100年200年続いている企業は、そこらへんにゴロゴロ転がっていると思いきや、そうではないようです。
日本には、100年を超える歴史を持つ企業が数万社あるそうです。
創業昭和8年の当社など可愛いものです。(不動産会社では相当なものですが)
そんな日本の長寿企業の秘密を研究している人たちが大勢います。
番組では海外の研究者が紹介されていました。
その研究者たちの調査から浮かび上がってきたのは、「決して“本業”をはずれない」「世の中が変わったら、“本業”からはずれない中で、社会のニーズに合わせていく」「危機は何十年かに一度襲ってくるもの。そこから逃げずに企業そのものを変革する」、という共通の特徴があるようです。
当社も、太平洋戦争、オイルショック、平成バブル崩壊(デフレ)と、何度も危機をくぐり抜けてきました。
また、“本業”にも微妙な変化がありました。
初代の頃は、地元を中心とした不動産仲介のお店。賃貸も分譲住宅の販売も行っていたようです。
二代目は、各信託銀行不動産部との連携による事業用不動産の仲介。分譲開発用地、銀行の店舗用地、公園用地、市場用地、団地用地など大規模な物件が中心でした。
私の代になって、再び地元に回帰しています。それもかなり徹底した地元指向です。当然、普通の住宅仲介を行いながら、祖父の時代に供給された長屋や町家を利用した街おこしや、街ににぎわいを取り戻すために店舗や事務所の仲介にも力を入れています。コンサルティングについても経験を積みつつあります。
ここ数年、地域に根ざした『街の不動産屋』が激減しています。逆に増えているのは、地域密着戦略を実践するそこに住まない不動産チェーン店です。
土地や建物には、一筋縄では解決しない複雑な要素が絡まり合っているケースが多くあります。諸問題を解決しないと売ることも貸すこともできない。そんな“面倒な”不動産案件を丁寧に相談に乗って解決していくのが、当社のような老舗で地元密着の不動産会社の使命であり“本業”であると心得ています。
皆さんのご期待に添えるように頑張り続けます。
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