作家・開高健の育った家
昨日、作家・開高健の育った家を見学してきました。
現在は空き家で、某博物館と某大学が建物の実測調査をするということで、同行させていただきました。
場所は、東住吉区の近鉄北田辺駅からほど近い場所です。
下町のどこにでもある長屋の風景ですが、室内は、建築された昭和7年当時のまま残されています。
前栽と中庭があり、敷地の一番奥に離れで浴室とトイレがあります。
昭和7年当時、浴室のある家はかなり珍しかったと思います。
特徴的なのは、1階奥にある8帖の客間の壁裏にあります。
この部屋にお客様を通しているときに、家人がトイレに行こうと思うと、お客様の部屋を通らなければなりません。
これは、間口の狭い、この付近の長屋の宿命です。
しかしこの家は、その8畳間の壁裏に幅50cmほどの隠し廊下を設けています。
つまり、お客様の前を通らずとも、この隠し廊下を行けば、トイレや浴室に行くことが出来るというものです。
良く2階に上がり下がりする階段を前と後ろに設けている長屋がありますが、それも客間を通らずにトイレに出入りすることができる仕組みです。
それと同じ考えですが、隠し廊下というものは初めて知りました。
残念ながら、室内の写真を公開することはできません。
空き家となったこの大作家の家を、何らかの方法で、有効活用し、未来永劫、保存することが出来れば良いな、と思います。
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