隠すということ
写真は、阿倍野区桃ヶ池町2丁目で、まもなくオープンする陶器屋さんのエアコン室外機です。せっかくきれいに修景された建物に無骨な室外機は不釣り合いと思っていたところ、入居された方が手作りでカバーを作りました。
材料は改装工事の際に出てきた廃材です。大工さんにお願いして、捨てずに残しておられました。そのため、新しく作ったものなのにずっと前から風雪にさらされながら、ここにあるような雰囲気が出ています。
このように古い建物を再生する際、新しい工業製品的なものを隠す努力は様々な現場で行われています。昭和町駅前の寺西家阿倍野長屋でも、契約書の特約条項にエアコン室外機や排気ダクトなどを隠すことを求める条項が入っています。
また、下の写真は、東住吉区田辺のHOPEゾーンの修景事例です。ガスメーターや郵便ポストなどが、目につきにくいけど機能を果たすようにちゃんと隠されています。
修景された建物だけではなくごく普通の家でも、自らの建物を含む町の景観に配慮した工夫を少し取り入れる努力をするだけで町の雰囲気は変わっていくと思います。日本は右肩上がりの経済成長から成熟された大人の国に生まれ変わっていくと思います。その過程で、ヨーロッパのような景観を大切にする文化も育っていって欲しいと願います。
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