共同で修理することになりました
数ヶ月前に契約したリノベーションOKの貸家です。入居者自らが、休日を利用して作業を続けています。完全なプライベートスペースである浴室は、まったくの手つかずの状態で、そのまま利用されていました。
ところが数日前から、浴槽が傾きはじめ、壁との間に亀裂が生じはじめました。入居者より当社に連絡があり、対応について検討していました。
というのも、この物件は、家主さんは家賃が安くても良いので、あまりお金をかけたくない、というニーズがあり、また入居される方も、古くても良いので家賃が安くてリノベーションできる物件を探していると言うところが、そもそものスタートでした。
両者の思いを書面化し、契約書を作成したので、少し特殊な内容の契約書になっていました。簡単で費用のあまりかからない修理は入居者が自ら行い、まとまった費用のかかる修理は家主さん負担。しかし、その費用が余りに多額になる場合は、契約を解除できるという内容のものでした。
この浴槽の傾きがあまり費用のかからない修理にはいるのか、それともまとまった費用のかかる修理に該当するのか、解釈によっては判断が異なる結果になる可能性がありました。
昨夜、現場にて家主さんと入居者さんとの話し合いがもたれて、私の提案により、家主さんと入居者さんが共同で修理を行うことになりました。自らリノベーションしている入居者さんはもちろんですが、家主さんも簡単な大工仕事ならできる方でしたので、一緒に作業してはいかがですか?という提案です。
ご親戚の方に、引退した水道工事屋さんがいらっしゃるようです。その方に監督なり、アドバイスをいただきながら、家主さんと入居者さんが共同でお風呂の修理をする。そこでどのような会話が飛び出すのかはわかりませんが、お互いが権利を主張しあったり、契約書の条項の解釈論を戦わせるわけでもなく、共同で問題に対処する。当たり前のことだけで、最近では珍しい結果となりました。厳しい時代は、お互いに協力しあって物事を進めていく。これからのスタンダードになると思います。
« 雨の桃ヶ池公園 | トップページ | 隠すということ »
「07.長屋・町家」カテゴリの記事
- 昭和初期建築の民家(2016.10.20)
- 2時間だけの見学会「山之内元町長屋」は3組4人の方が来られました。(2016.07.24)
- 都市景観資源に登録されました。(2016.06.28)
- 堺市の紀州街道沿いある大正時代の建物が取り壊されていました。(2016.06.15)
- 阪南町ヘルパーステーション(2016.05.27)
足立さん、こんにちは。
ご無沙汰しています。
ブログを引き続き、読んでいただいていたとは…。
ありがとうございます。
なかなか物件探しができていません。
ゴメンナサイ。
良いお仕事をなさっている方…、う~ん、今の私にはふさわしくないです。
投稿: 小山隆輝 | 2011.04.18 09:28
そういうお話を知る事が出来て、とても嬉しいです。
そして、不動産屋さんがよい方。。というか、良いお仕事をなさっている方なので、話が成立するのだと思われます。
投稿: 足立 | 2011.04.18 07:13