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夫婦の寝室を通ることなく、そして忍者のごとく、するすると家の裏側に抜ける隠し廊下

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阿倍野区某所の長屋です。この長屋の最大の特徴は、裏庭手前にある6畳の座敷の壁裏に幅50~60cmほどの廊下が隠されています。この廊下は、ウナギの寝床状の長屋生活を画期的に改善するアイディアでした。

阿倍野区の西田辺~昭和町付近の長屋は、背割り部分にトイレのくみ取り口が設けられていたので、どこの家でもトイレは家の一番奥にあります。しかし、そのトイレに行くためには、例えば2階から階段を降りて、玄関付近を通り、台所を通り、四畳半、そして六畳の間すべてを通り抜けないと、トイレにはたどり着けない構造になっています。

これでは、プライバシーも何もありません。また、この間取り図面のように、1階の奥の和室には床の間や違い棚が設けられ、客間としての機能もあったので、お客様をお通ししている時に、他の家族がそこを通らずとも良いように考えられています。

上の間取り図面は、完全に壁で隠してあるタイプです。また、下の写真は、先日の建具を大量にいただいた長屋ですが、ここは襖(ふすま)で仕切られていました。おそらく、法事や何やらで大勢が集まるときは開け放って、部屋を広く使っていたのだと思います。

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上の間取り図面とは異なる家ですが、ほぼ同じ構造をしています。階段のすぐ横に廊下への出入り口があります。そこから直角に曲がる構造です。

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畳がないので少しわかりにくい写真ですが、奥の白壁の手前に板敷きの廊下が見て取れます。間仕切りには襖が使われていたようです。

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トイレ側から見た裏廊下です。大人がまっすぐ前を向いて歩くには少し窮屈な幅です。

このように、阿倍野区界隈の長屋は昭和初期の大阪の発展とともに、文化的な生活向上を目指すために、デザイン面や機能面で様々な仕組みが取り入れられていました。

他にも、裏階段型の長屋もありました。それはまた次の機会に。

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