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大正区平尾へ調査に行ってきました。今日は3丁目と5丁目を重点的に。
貸店舗や貸家を探しに行ったのですが、それがほとんどありません。くまなく調べましたが、貸店舗8・貸事務所1・貸倉庫1・売店舗1・売家(中古)1という感じ。貸家に至ってはゼロでした。新築の分譲地は数えていませんが、3丁目と5丁目だけで10くらいはあったと思います。売れない場所で分譲なんて絶対にしないから、まあそこそこ売れる地域なのでしょう。
世間が思うほど、大正区の平尾って困っていないのかも?それに、街が変わっていく「きざし」が街のあちらこちらに。若い女性が経営するパン屋さんが2軒。そして、スムージーやドーナツを売る、こちらも若い女性の経営するお店が1軒。この「きざし」をちょっと後押ししてあげるだけで、この街はきっと変わりますよ。
住之江区安立を南北に縦断する紀州街道。地域を特徴付けるコンテンツのひとつなので、じっくりと観察をしながら歩いてきました。もう少し古い建物が残っていると思っていましたが、かなり建て替えが進んでいます。町並みを活かしながらの地域作りにはもう手遅れの感がありました。歩いてみて、改めて良いなと思ったのは、住吉大社からの距離。事務所に戻ってから地図ソフトで調べてみると、阪堺電車の住吉鳥居前駅から安立商店街南詰めの我孫子道駅まで1.5kmもありませんでした。街道沿いに、休憩するのに最適なカフェなどが点在するようになれば、住吉大社付近との一帯感も出てくるでしょうね。住吉大社と紀州街道、そしてチンチン電車。ええもん持ってる街ですよ、安立は。
まちづくり系のお仕事@丸順不動産(その11)
2005年に新しいテナントを迎えて再出発した阿倍野区桃ヶ池町の長屋ですが、その後、四戸のうちの一戸のみ借主が変わったり、業態が変更するなどの紆余曲折がありました。
転機が訪れたのは2010年。当時のブログ読者の女性から、アンティークの着物を販売する店ができる長屋が無いか?との問い合わせがありました。紆余曲折のあった長屋が空いている状態だったので、ご紹介すると即決。最終的に、転職を考えているお兄さんと共同で店をすることになり、現在のカフェ&バーの「りんどうの花」がオープンしました。その後、すぐ隣の長屋も空いたため、陶器の販売をしたいという女性と契約。今は「カタルテ」というお店になっています。
この頃から、家主さんも新しい感覚のお店を誘致し、建物の外観を整えてエリアの価値を高めることの重要さに気がつかれたようで、積極的に外観の改修に乗り出し始めました。その結果が、写真のとおりです。
何十年と動きの無かった長屋が次々と空き、2011年に動物性タンパク質を使わない料理を提供する「はこべら」が。そして2012年には四戸の長屋の最後を飾るお店、オーダーメイドの洋服を作る「coromo」がオープンし、現在では桃ヶ池長屋と呼ばれるようになりました。
今では、ここのテナントが中心になって毎年、春と秋の年二回「むすびの市」が開催され、たくさんのお客様が来場されます。かつての街道筋で、戦後しばらくまではとても賑やかだったこの通りですが、今はすっかり寂れてしまっています。良質な長屋が残るこの通りに新しい価値を植え付け、地域の活性化につながるよう、テナントさん共々、努力を続けているところです。
(2010~2012年契約・阿倍野区桃ヶ池町2丁目)
まちづくり系のお仕事@丸順不動産(その10)
この頃からブログやtwitterだけで物件のマッチングができるようになってきました。親の住んでいた家が空いたのでお金をかけずに貸したいというご依頼と、自分たちで自由に改装できる家を安く借りたいというニーズがぴったりと合った事例です。
「僕たちボンビーなので」。入居者が内覧したした時に発した言葉が今でも忘れられません。私が「ボンビー」なる言葉に最初に出会った瞬間でした(笑)。これから結婚をする美男美女のカップル。貧乏という言葉がまったく似合わない超素敵カップルでしたが、節約志向は相当なもので、私のようなバブル期に結婚した者との結婚観の違いに驚かされたものです。
入居された方は、家具職人と言っても良いほどの腕をもつ方で、ご自分の経営するお店の内装もほぼセルフで仕上げるほど。幸いなことに、家主さんも器用な方で、いわゆる一般的なDIY的なことはなんでもできる方でした。
契約前に、入居者のセルフ工事をサポートする工務店さんにも加わっていただき、家主さんと私を交えて、何度も何度も現地で打ち合わせをしました。一定の信頼関係が構築できたかと判断できた段階で契約。浴室の床が抜けるという驚きのアクシデントもありましたが、家主さんと入居者が協力して修理をするということもありました。
入居者にお子さんが産まれ、生活スタイルの変更や様々な事情のため、数年で転宅を余儀なくされました。せっかく作り上げた素敵な内装の家は今、空き家となっています。2階は外国製の大きなアンティークのドアが印象的なシンプルな空間です。今から4年前。DIY賃貸の先駆けでした。(2010年契約・阿倍野区阪南町1丁目
まちづくり系のお仕事@丸順不動産(その9)
地下鉄御堂筋線昭和町駅から徒歩5分。地元で庚申街道と呼ばれている生活幹線道路に面した長屋です。窓も閉まったままだし、看板もあがっていませんが、ここは昭和町で唯一フレンチを食べることができるお店です。
この建物の周辺、約300坪を所有する地主さんから相談いただいた案件。300坪の内、この場所だけ借地権の返納を受け、地主さんが活用できる土地となりました。しかし、300坪の内の20坪足らず。いろいろな人に相談しても、とりあえず駐車場にしておいたら?みたいな話ばかりで、困り果てた上でのご相談でした。
さっそく内覧したところ、荷物がいっぱい残っている上に、床がボロボロで、どこに足を置いたら安全なのかがわからないくらい、室内は朽ち果てていました。それでも、必ずここは再生できる!と妙な自信があった記憶があります。
現地に看板を掲示していたところ、現在のお客様の目にとまり、お話を進めさせていただくことになりました。しかし、廃屋同然の状態からお店を作るには多額の費用がかかります。そこで、当社が家主さんとの間でコーディネートを行い、家主さんが負担しなければならない工事と、入居者が負担しなければならない工事を明確に区分。工務店に図面とそれぞれの見積書を作成してもらい、賃貸借契約書に添付して契約を行いました。
それでも若干、家主さんと入居者の間でバランスを欠く内容だったので、短期間の定期借家契約と家賃の減額を組み入れて、両者のバランスをとりました。「昭和町おうちカフェきっちん」。小さなお店なので、グループで貸し切りにするのに最適なお店です。(2009年契約・阿倍野区阪南町2丁目)
まちづくり系のお仕事@丸順不動産(その8)
地下鉄御堂筋線西田辺駅徒歩2分。木造瓦葺2階建の旅館を等価交換により9階建のマンションに建て替え、土地所有者には住まいと年金がわりになる賃貸住戸(4戸)を取得していただき、土地を共有する親族にはそれぞれの持ち分を現金化、その他のフロアをコーポラティブ住宅として分譲した事例です。
銀行と建設会社から、全額借り入れによる賃貸マンション建設の提案を受け、その提案の妥当性を当社に相談に来られたのが事業化のきっかけでした。他に収入が無い状態で、住まいも借入金の返済も、すべて事業収支の中でまかなう計画でしたが、将来のリスクをあまりに低く見積もる計画だったので、少し時間をいただき代案を提案させていただくことになりました。
間口10m、奥行き26mというウナギの寝床状なので、分割して新築分譲するには不向きの土地でした。検討した結果、商業地域の立地を活かして、等価交換とコーポラティブ住宅の分譲を組み合わせると、なんとかなりそうな気がしたので、阿倍野区内にある関西では有数の都市計画コンサルタント事務所に相談し、事業化を依頼することとなりました。
相談から3年を要して無事に竣工しましたが、計画段階からいろいろと問題が続出し、私にとっては非常に勉強になった現場でした。今では、元々の土地所有者と6戸のコーポラティブ住宅の住人、4戸の賃貸住戸の方、そして1階の分譲店舗の方たちがゆるやかで良質なコミュニティを形成しています。また、このマンションから、地域活動の担い手も生まれています。
(2007年竣工・阿倍野区昭和町5丁目)
まちづくり系のお仕事@丸順不動産(その6)
寺西家阿倍野長屋の家主さんは、とうとうご自宅の庭まで開放してしまいました。庭の一部を改造(リノベーションと言っても良いと思います!)し、オープンテラスのような空間を作りました。ここをカフェにしたいとのご依頼。さいわい、すぐ近くの飲食店の方がここを運営してくださることになり、さっそく契約書作りに着手しましたが、これがなかなか難しい…。壁と屋根に囲われた空間を賃貸する契約書を作るのはいつものことなので簡単なのですが、オープンな空間の賃貸借契約は、手持ちの賃貸借契約書ではまったく対応できません。どこからどこまでが使って良い場所なのかをどのように記載するのか?結局、性善説に基づいて契約書を作成しました。みんな良い人です、きっと(笑)。とっても素敵なカフェでしたが、冬の寒さはどうすることもできず、数ヶ月で閉店しました。今は、家主さんの奥様が着物のリメイクをされるので、その販売スペースになっています。(2006年契約・阿倍野区阪南町1丁目)
20年前に、日本で最初にリノベーションというものを初めた会社と思います。アートアンドクラフトの20周年記念パーティーに行ってきました。会場の梅田クラブクアトロには、リノベーションや地域再生・まちづくりの分野の第一線で活躍する有名な方たちが、東京を含む各地からたくさん集まっていました。今、ここで爆発事故でもあったら、日本のリノベーションはとてつもない大打撃を受けるだろうな…と思うくらいです。代表の中谷ノボルさんの求心力をあらためて感じることができたパーティーでした。上田正樹さんのライブも最高で、アートアンドクラフトという会社のセンスもやっぱりすごいです。アートアンドクラフトさん、20周年おめでとうございます!
昨日の午後おじゃました北加賀屋みんなのうえんです。第1農園と第2農園があり、ここは第2。開所直後の第1農園は見に行きましたが、こちらは初めてです。縁日(オープン農園みたいなもの)が開催されるとのことで見学してきました。古い文化住宅に囲まれた都会のエアポケットのような敷地で、100坪ほどの畑と、文化住宅の1階部分を改造したカフェがあります。ここでコーディネーターをしている金田さんとは、住之江区安立の嶋屋喜兵衛商店でご挨拶をさせていただいたことがあります。空き地の活用について、とても興味深いので、またゆっくりとお話をうかがいに訪問する予定です。
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