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賃貸マンションの電気容量問題はほんとに頭が痛い。

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阿倍野区阪南町1丁目にある昭和42年建築の賃貸マンションの一室です。先日、空き部屋になっているこの部屋を貸したいとのご相談がありました。リフォームを予定しているがどこをどの程度やれば良いかというご相談です。

一見したところ浴室のリフォームは必須のようです。給湯するお風呂ではなく、昔ながらの風呂釜です。つまり、シャワーがないのが最大の欠点でした。風呂釜は室内にありますが、一酸化炭素中毒防止用にちゃんと外部の煙突に接続されているので、おそらく風呂釜の後に給湯器を設置したらこの問題はクリアするのかなと思いました。あとは、壁を塗装したり、動きにくくなっているサッシや網戸を調整すれば、低い賃料ならまあなんとかお客さんを見つけることができそうです。

ところが、よく見ると電気のブレーカーが3回路しかありません。このマンションが建築された昭和42年頃なら電化製品も少なく、エアコンはまだまだ贅沢品だった時代です。その当時はこの電気の容量で足りたかもしれませんが、今は昭和から平成を経て令和の時代です。みんな、とことん電気に依存する生活をしているので、3回路ではとても足りそうもありません。

このお部屋のブレーカーを増設すれば良いという問題ではなく、マンション全体の電気容量が関わってくる難題です。一部屋くらいならどうにかなっても、今後、リフォームするたびに各部屋のブレーカーを増設すると電気が足りなくなって、マンション全体のブレーカーが落ちてしまう可能性があります。

じゃあ、マンションに引き込んでいる電気の容量を増やせば良いのねと思いますが、それもそう簡単ではありません。引き込む電気の容量を関西電力に申請して増やしてもらうのと同時に、各部屋へ電気を供給している幹線を太いものに変更する必要もありますし、なにより大変なのは、すべての部屋のブレーカーを容量に見合うものに変更する必要があります。戸数が多いと大変です。しかも、関電の工事とそれらを同時にしなければなりません。一度だけその工事を段取りしたことがありますが、たった9戸のマンションでもなかなか大変でした。

結局このお部屋は、ここで中途半端な投資をするよりも、趣味の部屋や物入れなどに使ってもらう方が現実的ではないかということに落ち着きました。当然、安くお貸しすることになります。今のところ、昔から住んでいただいている方が多くて、空室もほとんどありませんが、今後、空室が目立つようになってきたときの収支が厳しくなることが予想されます。建築後約55年。人間と違って建物の寿命は所有者みずからが決めることが出来ます。そんな時期になっていますよ、というアドバイスをしてその日の打ち合わせを終えました。ちなみにお部屋は3階にあって、面積は約36平米です。エレベーターはありません。ご興味ある方は私まで連絡ください。

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